正しく採点をするために心掛けること

 

周囲にある文字にいつも関心を持つ

周囲には活字(印刷文字)とは違った字形の漢字がいっぱいある。日ごろからよく観察して字形に対する感覚を磨こう。


書道字典などを見て多様な字形を知る

日ごろ目にしている活字(印刷文字)とは違う多様な字形(字体)を学び、活字の字形から一度離れ、見方をリセットしよう。


構成要素「土」を持つ漢字の正誤基準

 

 漢字の正誤を判断する基準を考えるとき、最も難しいのは構成要素「土」を持つ漢字についてどういう基準にするかということである。その内に構成要素「土」を持つ漢字は、「つちへん」の漢字や「赤」「走」などを含めると、常用漢字の中に120字近くもある。さらに「老」「告」などまで加えればその数は増える。(構成要素「士」を持つ漢字は常用漢字の中に士を除くと22字である。)私は次のように分けて考えることにした。

「常用漢字表の字体・字形に関する指針」の記述

第3章・Q15(Q21、Q44、Q58にも同趣旨の記述がある)

 「士」と「土」、「末」と「未」のように、上下にある横画の長さが入れ替われば、別の漢字にな

  るものがあります。

当然のことであるがこの記述から、指針でも士と土の2字は横画の長短が正誤を判断するポイントになると認めていることが分かる。

第2章・4・(1)・オ 画の長短が字体の判別に関わるものとして「士」と「土」が挙げられるが、これらが別の漢字の構成要素になっている場合に、必ずしも長短を問題にする必要のないもの

ここで「士」「土」だけを独立させて、次のように例示、説明している。

 

 指針の構成要素「土」の説明は、Q15の説明と第2章・4・(1)・オの説明でほぼ全てである。Q44に「寺」について、「士」と「土」が入れ替わったような形で書かれることがあります。そのような場合にも、別の漢字に見間違えられることがなければ、誤りであるとまで断じることはできないでしょう、という記述があるが、これは第2章・4・(1)・オの内容と同じである。

  以上を踏まえて、どの漢字の「土」だけを正誤を判断するポイントにするか(「土」の長短を明確に書き分けなければならないか)を考える。


構成要素「士」を持つ漢字の正誤基準

 

 構成要素「士」を持つ漢字は、常用漢字の中に士それ自体をを除くと22字しかない。第2章・4・⑴・オに「必ずしも長短を問題にする必要のないもの」として12字(13字)が例示されている(これについては後で説明する)。もう一箇所、Q44に、「喜」、「仕」、「寺」、「荘」など、漢字の一部になっているものについては、「士」と「土」が入れ替わったような形で書かれることがあります。そのような場合にも、別の漢字に見間違えられることがなければ、誤りであるとまで断じることはできないでしょう、という記述がある。


構成要素「末」「未」を持つ漢字の正誤基準

 

 指針に次のような記述がある。

第3章・Q15

 「士」と「土」、「末」と「未」のように、上下にある横画の長さが入れ替われば、別の漢字になるものが

 あります。

第2章・4・⑴・オ・※1

 構成要素としての「末」と「未」は、音符(漢字の音を表す部分)となっているケースが多いことなどのた

 め、長短が入れ替わるように書かれることが少ない。

この記述から考える。


 

その他の横画の正誤基準